映画とご飯

映画と外食。

2016-01-01から1年間の記事一覧

2016年に映画館で観た映画

あいつと私、アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー、青空娘、あした晴れるか、アスファルト、アズミハルコは行方不明、あの頃エッフェル塔の下で、アメリカン・スリープ・オーバー、嵐を呼ぶ男(1966)、暗殺の森、イエスタディ、怒り、愛しき人生の作…

デヴィッド・ロバート・ミッチェルの世界

デビッド・ロバート・ミッチェルの2010年の作品『アメリカン・スリープ・オーバー』は、デトロイト郊外の町の公営プールのシーンから始まる。水着姿の短髪の娘がプールサイドを歩き、キャンデーをなめている娘のとなりにすわる。二人ともまだあどけなさを残…

オーバー・フェンス

山下敦弘の『オーバー・フェンス』は喫煙室の窓から外の廊下を映した場面から始まる。休み時間らしく大勢の人間が窓の外を歩いている。そこに声がかぶさり、穏やかな口調のオダギリジョーの声が響いてくる。画面はすぐに切り替わって喫煙室の中の男たちがナ…

ゴーストバスターズ

この映画は学園ものではないが、その背景に学園ドラマが見え隠れする。クリスティン・ウィグ演じるエリンとメリッサ・マッカーシー演じるアビーがどのような学生時代を過ごしてきたか、思わず想像してしまった人は多いのではないだろうか。心霊に興味のある…

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を観る

1947年、ロスアンゼルス郊外のトランボの家、入浴中のトランボのバストショットのあと、バスタブで仕事をしているトランボの姿が映しだされる。彼が叩く激しいタイプライターの音と、バックに流れるジャズがよいセッションとなって響いてきて、観る者のわく…

チャールス・ブコウスキー『パルプ』

『パルプ』(チャールズ・ブコウスキー / 訳:柴田元幸/ ちくま文庫)を読む。 ハードボイルドな私立探偵ものは数多く読んできたけれど、これほどいきあたりばったりな探偵はいなかった。ハードボイルドの文脈を借りながら絶妙なユーモアで笑わせる。私立探…

『人生は小説よりも奇なり』はニューヨーク版『東京物語』だ!

『人生は小説よりも奇なり』(Love Is Strange 2014年アメリカ映画 アイラ・サックス監督) 2011年にニューヨーク州で同性婚が認められたために、長年連れ添ったベン(ジョン・リスゴー)とジョージ(アルフレッド・モリーナ)の熟年カップルは念願の挙式を…

サミュエル・フラーを観る

サミュエル・フラーといえば、学生時代にロードショーで『最前線物語』を観たのみ、あとは『気狂いピエロ』に登場したのを記憶しているくらいだ。自分の中でその名前だけがどんどん大きくなっていくのに、観る機会がなかなかなかった。 今回、boidから『サミ…

ツィゴイネルワイゼン覚書

内田百閒の「サラサーテの盤」が原案になっているが、この短い物語の大部分は、映画の後半に集約され、前半は、原田芳雄扮する中砂という「鬼」の行状を描いている。 冒頭、蓄音機にのせられたサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」の円盤が映しだされ、曲の…

[映画]アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー

映画の冒頭、自身の独特な服装を解説してくれるアイリス・アプフェル。自分がデザインしたというスニーカーは、カラフルな鳥のイラストがはいっていて、欲しい!とまず思ってしまった。 アイリス・アプフェルは、類まれなるファッションセンスと集めに集めた…

[映画]やさしい女(ブレッソン)

ロベール・ブレッソンの『やさしい女』をシネヌーヴォで観る。昨年、あちこちで上映されていたのをことごとく見逃してしまったので、この上映は本当にありがたい。 映画は、60年代末のパリの夜の風景を映しだして始まる。カフェやホテルのネオンが明滅し、車…

[映画]これが私の人生設計

監督:リッカルド・ミラーニ 冒頭、超田舎育ちのヒロインの神童ぶりが描かれる。幼いころから絵に才能を見せるも、その傑作が家族には理解されず暖炉に放り込まれていく様子が哀しくも笑える展開。学校の教師が才能を発見し、やがてローマ大学で優秀な成績を…

マネー・ショート 華麗なる大逆転

原題:The Big Short 2015年アメリカ映画 監督: アダム・マッケイ 原作者: マイケル・ルイス 金融知識がないとちょいとつらいかと思っていたけれど、要所、要所に趣向を凝らした解説が入る。もともと冒頭から登場人物の一人、ライアン・ゴズリングが画面に…

プリティ・イン・ピンクをWOWOWで久しぶりに観る

ジョン・ヒューズの一連の青春もので唯一ロードショーで観ているのが『プリティ・イン・ピンク』だ(ジョン・ヒューズは脚本を担当。監督はハワード・ドイッチ)。登場人物たちの年齢に近かった時に観た当時よりも今観たほうが圧倒的に面白く感じた。なぜか…