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映画と外食。

『シェーン偽札を追う』(HPP765)を読む

原題は「Counterfeit Wife」。1947年の作品。

マイアミからニューオリーンズ行きの深夜便に乗る直前、シェーンのもとに一人の男が現れ、切羽詰まった調子でどうしても今夜中にたって明日の朝にはニューオリーンズに到着しなくてはならないのでチケットを譲ってくれという。既に手荷物を預けてしまったというシェーンに男は自分のバッグを渡し、ポータに鞄を取り違えたとこちらの鞄を渡して持ってきてもらえばよい、と言い、シェーンの手に二枚の百ドル札を握らせる。鞄を取り戻したシェーンは男に搭乗券を譲ってやる。航空ターミナルビルに戻ると大柄の金髪女がカウンターで夫が最終便に乗ったかどうかしつこく問いただしていた。女に本当のことを告げるべきかどうかと考えたシェーンは女が運転する車を尾行して、一軒のバーにはいる。そこで男から渡された百ドル札で支払おうとしたところ、その札をどこで手に入れた!?と店主はピストルを突きつけた。

という実に魅力的な出だしでぐいぐい読ませる。今回もシェーンは全裸にされて監禁されたり、傷だらけ。誘拐犯たちに深く関わりすぎて、警察の目をごまかすために嘘をつきまくり、悠然ととぼける様子がユーモラスだ。信頼できる刑事と新聞記者に巧みに真実を少しずつ漏らしながら、事件の真相に迫っていくのが見もの。

今回はアパートメント・ホテルを一度引き払ったという経緯もあるので、自宅での料理シーンはなし。ホテルからニブロック歩いてレストランにはいり朝食を食べている。ベーコン添えのかきたまごを平らげ、コーヒーを三杯も飲んでいる。